30日で学ぶ高校英語|Day28【比較のおはなし】

英語の形容詞・副詞の比較表現は、短めの形容詞の語尾に”-er”や”-est”を付けたり、長めの形容詞の前にmoreやmostを足したりするということは、中学英語で習ったことと思います。高校以降の英語でも、基本的には変わりはないのですが、すべてワンパターンというわけはなく、そこについて学ぶことが、障壁だったり醍醐味だったりするところです。

今回は、比較表現の基本と、いくつかの注意点についてお伝えしたいと思います。

 

比較構文と語形変化

状態を表す語句である形容詞や、程度などを表す語句である副詞には、「より~だ」「もっとも~だ」と表現するときに、語句の形やコロケーション(異なる語句が共に配置されること)の基本的な扱い方をマスターする必要があります。

その際に、まず覚えておきたいのが、語形変化となります。では、どういった場合が、”-er”や”-est”を語尾につけることになるのか、どういった場合がmoreやmostをつけることになるのかを、具体的にお伝えしたいと思います。

 

形容詞・副詞が「1音節語」ないし「一部の2音節語」→”-er”,”-est”

実は、形容詞に限らず、名詞や動詞の語形変化についても、規則的な変化をする場合にカギを握る要素が「発音のしやすさやリズム感のよさ」です。形容詞の場合は、短い語句に”-er”や”-est”をつけると読みやすいのですが、長い語につけてしまうと、語尾の”-er”や”-est”を読んで、「比較級」や「最上級」であるとわかるまでのリズム感に、乱れが出てしまいます。

 

では、どのぐらいが「長い」「短い」を分けるのでしょうか。

そのポイントは「音節」です。【母音1つを含む音節=1音節】とカウントすると、1音節や、一部の2音節語は「短い」ほうに仕分けされます。

 

なお、以下に示す変化は、【原級-比較級-最上級】の順です。

 

(例)1音節 → long– longer – longest

語尾が黙字(読まない文字)eで終わる語 → nice – nicer – nicest

短母音字+短子音字で終わる語 → hot – hotter – hottest

※短子音字を重ねます。

子音字+yで終わる語 → dry – drier – driest

※yをiに変えて、”-er”や”-est”をつけます。

 

形容詞・副詞が「一部の2音節語」や「3音節以上」→more, most

2音節語のうち、接尾辞(語尾)が”-ful”, “-less”, “-ive”, “-ing”, “-ous”, “-ish” であるものや、3音節語以上のものは、形容詞や副詞の前に、比較級ではmore、最上級では(the) mostをつけます。

(例)hopeful – more hopeful – most hopeful (2音節・接尾辞-ful)

intelligent – more intelligent – most intelligent (4音節)

 

その他不規則なもの

*意味の取り方によって変化が2通りあるもの

late – (時間)later / (順序)latter – (時間)latest / (順序)last

far – (距離) farther / (程度) further – farthest / furthest

old – (新旧) older / (長幼) elder – oldest / eldest

*特殊な変化

good /well – better – best    bad / ill / badly – worse – worst

many / much – more – most   little – less – least

 

比較級を用いた表現

「より~だ」としたい形容詞を、次のように取り扱います。

*”-er”型:語尾に”-er”をつける。比較対象があれば、形容詞のあとにthanを置く。

(例1)Mt. Mont Blanc is higher than Mt. Fuji.

「モンブランは富士山よりも高い」

 

*”more”型:形容詞はそのままにし、直前にmoreを置く。比較対象にはthanをつける。

(例2)His book is more interesting than mine.

「彼の本は私のものよりおもしろい」

※反意表現「より~ない」とするには、moreのところをlessにします。

 

*比較級を強めるには、形容詞の前にmuch, far, a lot, even などを置きます。これは”-er”型もmore型も同じとなります。

 

*形容詞が-orで終わる比較級には、比較対象にthanではなく、toを置きます。

(例3)He is senior to my brother.

「彼は私の兄より年上だ」

 

*比較級を用いて、次のように最上級の内容を表現することもできます。

(例4-1)Tokyo Sky Tree is higher than any other towers in Japan.

「東京スカイツリーは日本のほかのどのタワーよりも高い」

(例4-2)No (other) tower in Japan is higher than Tokyo Sky Tree.

「東京スカイツリーほど、日本で高いタワーはない

 

最上級を用いた表現

基本的には、最上級は「最も」という意味があることから、特定性を示すtheを置いてから、語尾を”-est”した形容詞を使うか、most +形容詞を使います。

(例5) This is the highest mountain in this area.

「これがこの地方で最も高い山です」

(例6) This is the most exciting book in my room.

「これが私の部屋の中で最もわくわくする本です」

*「~番目に…な」という表現も、最上級をこのように使うことで表現できます。

(例7)She is the second shortest girl in her class.

「彼女はクラスで2番目に背の低い女の子だ」

このことは”-est”型も、most型も変わりません。most型では、most(最も)を序数に換えただけですので、”-est”型よりも楽かもしれませんね。

 

*同一人・物の比較、副詞、文語調表現の中では、最上級の前にtheを用いないことがあります。

(例8)The sea is calmest in summer in this area.

この地域では、夏に海が最も穏やかになります」(同一地域内での海の比較)

 

原級を用いた表現

 * as 原級 as 「Aと同様に…」

  (例9) My sister is as tall as my father.

「私の姉は、私の父と同じだ」

※tallはあくまでも「背の高さ」について表しているのであり、「同じぐらい背が高い」とはなりませんので注意が必要です。「ぐらい」の許容範囲が、tallについては狭いですので、わずかな誤差には almost as tall as という表現を使います。

このことから、as … as ~を用いる際は「同じぐらい」よりは「同様に」という理解をしておいた方がよいでしょう。

 

また、この表現を用いて、最上級の内容を表すことができます。

(例10)No (other) mountains in Japan is as high as Mt. Fuji.

「富士山ほどの高さにある山は日本にはない」

 

なお、この表現に【序数+times】をつけると、【序数倍】という意味になります。

(例11)The score you got is three times as high as yours.

「私がとった点数は君の三倍だ」

 

not as[so] 原級 as 「Aほど…ない」

(例12) The weather today is not so rough as yesterday.

「今日の天気は昨日ほど荒れてはいない」

 

練習問題

34. 次の(1)~(5)の英文中の(   )に当てはまる語句を、ア~エからそれぞれ選びましょう。

 

(1)His bag is (        ) than mine.

ア big                    イ  bigger           ウ the biggest                エ the bigger

 

(2)The movie you recommend is (            ) than this new one.

ア interesting       イ most interesting ウ more interesting  エ interested

 

(3)My grandfather is senior (        ) my grandmother.

ア than    イ of      ウ in      エ to

 

(4)The Ishikari River is (           ) river in Japan.

ア the third longest イ the third longer  ウ longer  エ longest

 

(5)No other chair in this store is (          ) this one.

ア cheaper   イ as cheap   ウ cheaper than  エ cheaper to

 

練習問題33.の答え

(1)① We have a big presentation today.

「私たちは今日、大きなプレゼンテーションがある」

② Today is the day ( when / that ) we have a big presentation.

「今日は私たちに大きなプレゼンテーションがある日だ」

 

(2)① No matter what they say, you don’t have to worry.

② ( Whatever ) they say, you don’t have to worry.

「彼らが何を言おうとも、あなたは心配する必要はない」

 

(3)① We will welcome everyone who loves music.

② We will welcome ( whoever ) loves music.

「我々は音楽を愛するすべての人を歓迎する」

 

(4)① I know the reason that you didn’t go to the party last night.

「私はあなたが昨晩パーティーに行かなかった理由を知っている」

② I know ( why ) you didn’t go to the party last night.

「私はなぜあなたが昨晩パーティーに行かなかったのか知っている」

 

(5)① However hard I worked, my way of living wouldn’t get better.

② ( No ) ( matter ) how hard I worked, my way of living wouldn’t get better.

「どんなに一生懸命働いても、私の暮らし向きは改善されなかった」

 

(6)① The book tells you how you can earn enough money.

「その本はあなたに十分なお金の稼ぎ方を教えてくれる」

② The book tells you the ( way ) ( in ) ( which ) you can earn enough money.

「その本はあなたに十分にお金を稼ぐ方法を教えてくれる」

 

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

30日で学ぶ高校英語|Day9【動詞のおはなし③句動詞】

30日で学ぶ高校英語|Day4【進行形のおはなし】

30日で学ぶ高校英語|Day8【動詞のおはなし②使役動詞と知覚動詞】

30日で学ぶ高校英語|Day20【動名詞のおはなし①動名詞・総論】

30日で学ぶ高校英語|Day13【助動詞のおはなし④ 変則的な法助動詞】

30日で学ぶ高校英語|Day16【不定詞のおはなし①不定詞・総論】