30日で学ぶ高校英語|Day14【受動態のおはなし①総論】

be動詞と過去分詞とで、「~される(された)」と表現するのが受動態であることは、中学校でも習いましたが、主語と動詞、過去分詞が単純なものが多かったことでしょう。高校以上の内容となると、節が主語になったり、使用する動詞によっては語順が変化したりするものもあり、やや複雑になります。また、参考書でもかなり細かく分類しているものもあり、これが原因で、ひょっとするとモチベーションが下がってしまうかもしれません。

しかし、第1課でも扱った英作文の基本である、【大事な情報は文頭に近づくこと】、【関連性の深い語同士は近くに置かれること】に則って考えることで、受動態についてもだいたいのところはおさえることができます。いくつかその例を挙げつつ、見ていきましょう。

 

「する」と「される」の関係

まずは、中学英語の復習がてら、次の図をご覧ください。

能動態の文は、「SがVする」ということを、受動態の文では「SはVされる」ということを、それぞれ表しています。そして、能動態と受動態とでは、主語が入れ替わっているほか、受動態の文では【be動詞+過去分詞】の形になっていて、動作主はby「~によって」で表されています。また、「昨日」という修飾語は、文末に来ることは変わりません。

 

大事な情報は「動作主」か「目的語」か

上記の2文は、ほぼ同じことを言っているにもかかわらず、表現方法が違っています。能動態の文では、動作主が文頭に来ているため、動作主から見たお話を表していますが、受動態の文では、目的語が文頭に来ているため、「されるもの」から見たお話を表しています。

「されるもの」から見たストーリー展開をしていくのが、受動態ということです。

ただし、日本語でもあまり、「されるもの」から始まる文がないのと同様に、英語でも、学術論文や報道などの限られた場面に用いられることが多いようです。

 

なお、この【be動詞+過去分詞】で表される受動態は、法助動詞の直後や、完了を表す助動詞haveの直後などでも用いることができます。

 

(例1)This computer was made in Japan.

「このコンピュータは日本で作られた」(普通の受動態)

(例2)My account will be opened within three days.

「私のアカウントは3日以内に開くだろう」(未来の受動態)

※ここで注意です。日本語では「アカウントが開く」という表現が使われますが、アカウントはひとりでに開くものではなく、「開けられる」ものであるため、英語では受動態で表されます。

(例3)The illegal access must be denied.

「不正アクセスは拒絶されるべきだ」(助動詞+受動態)

 

受動態の英作文での注意

たしかに、能動文の他動詞の目的語を主語にすることで、受動態の文は簡単につくることができるように思えます。しかし、いくつか注意事項がありますので、ご紹介します。

(例4) 能動:I took that photograph with this new camera.

「私はこの新しいカメラで、あの写真を撮りました」

 

この文を「あの写真は、この新しいカメラにより撮られました」とするには…

受動:That photograph was taken with this new camera.

同じ「~によって」でも、前置詞がbyではなく、道具の使用を表すwithになるところに注意が必要です。

 

(例5) 能動:My wife cooked me this cake. / My wife cooked this cake for me.

「妻は私にこのケーキを作ってくれた」

 

この文を受動態にするには、「このケーキ」を主語にするしかありません。なぜなら、「私が調理されたわけではない」からです。

受動:This cake was cooked for me by my wife.

「このケーキは、妻によって、私のために調理された」

 

また、他動詞であっても、受動態になじまない他動詞がありますので注意が必要です。

<場所などを目的語にとる動詞>…受動態にはできるが、不自然(被害などの意味)。

(例6) My house was entered by thieves last night.

「昨夜私の家は泥棒に入られた」(被害)

 

<意思が働かない・相互関係>…受動態は不可

*resemble(似ている) *lack(欠けている) *cost(費用がかかる)

*suit(ふさわしい) *have(持つ) *fit(寸法が合う)

 

練習問題

19.次の(1)~(5)にある①・②の英文の組み合わせが、それぞれほぼ同様の意味になるとき、(   )に適語を補いましょう。ただし、短縮形も1語とします。

 

(1)① I need your help now.

② Your help (          ) (          ) now.

 

(2)① He wrote this book two years ago.

② This book (        ) (           )(      )(         ) two years ago.

 

(3)① A Japanese company made this desk.

② This desk (        ) (         ) in Japan.

 

(4)① You have to pay consumption tax on this price.

② Consumption tax (         ) (            ) in this price. (※includeを用いる)

 

(5)① My son wrote this letter to me.

② This letter (           ) (           ) (        ) me (        ) my son.

 

練習問題18.の答え

(1)① We should turn the lights off soon. Teachers will come to our room.

② We ( ought ) ( to ) turn the lights off soon. Teachers will come to our room.

「私たちはすぐ電灯を消した方がよいね。先生たちが見回りに来るよ」

 

(2)① We ( need ) ( not ) say that we lend money.

② It’s unnecessary for us to say that we lend money.

「私たちがお金を借りていることなど言う必要はない

 

(3)① You say that I’m such a silly man. I’m so bothered.

「君は私がそんなバカな男だと言っているんだね。とても迷惑しているよ」

② ( How ) ( dare ) say that I’m such a silly man!

よくも私がそんなバカな男だと言ってくれるね!」

 

(4)① I had a habit of drinking too much alcohol, but I’ve quit.

② I ( used ) ( to ) drink too much alcohol, but I’ve quit.

「私はかつて大酒を飲んでいたものだったが、今はもうやめた」

 

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