30日で学ぶ高校英語|Day1【文の仕組み】

このたびは、ご覧いただきありがとうございます。
英語は、確かに暗記しなければならないものも少なくないことと思います。しかし、暗記には限度があるでしょうし、義務感だけで覚えていくと、学んで発見する楽しみが減ってしまうこともあると思います。
当講座を含め、私が担当させていただく講座では、できるだけ自然な形で知識や理解を深めていただけるよう、イメージに訴えかけるような説明を心がけています。
ただ、記述量にも限りがありますので、ぜひ辞書や文法書などの関連箇所も目を通していただけるとよろしいかと思います。
それでは、Day30まで、よろしくお願い致します。

 

 Day1【文の仕組み】

「英文法」と聞くと、身構えてしまいませんか?

「SVOC」と聞くと、ウンザリしてしまいませんか?

高校英語では、単語・熟語の覚える量が、中学までのそれとは格段に変わるばかりか、新しい文法用語もどんどん出てきて、「覚えることがいっぱいだ」と、肩を落としてしまうこともあるでしょう。

しかし、文法用語の名前には、それぞれ意味があり、名前に見合った働きをしています。また、英文法というものも、実はシンプルな「3つのポイント」にそって考えると、大方の文は読み書きできるようになります。

このDay1では、英語の文の仕組みについて、文法用語の解説も交えながら、ご説明いたします。他の文法の理解や、長文読解をスムーズにすることにもつながる内容ですので、目を通していただけると幸いです。

 

シンプルな「3つのポイント」

英語に限らず、文章は、伝えたい内容が先に出てくることが一般的です。「誰が/何が」の部分となる【主語】が最初に置かれるのは、日本語も英語も変わりませんね。

しかし、英語では、その次に置かれるのは、「~する/~である」という【動詞】となります。日本語では、【動詞】は最後に置かれるので、言葉の順番が大きく変わります。

先におさえておいてほしい、英作文の3つのポイントがありますので、ご紹介します。

1.原則として、【主語】+【動詞】から始まる!

2.大事な情報となる語は、【主語】+【動詞】の順番を崩してでも、文頭に近づく!

3.関連性の深い語同士は近くに置かれる!

これら3つのポイントは、とても大事ですので、しっかりおさえておきましょう。

それでは、英文の基本的な構成について、説明していきます。

 

英文の構成と5つの文型

まずは、下の図を見てください。

 

英文は原則として、これらの文型に当てはめられて作られます。疑問文や倒置などでは、言葉の順番が変わることもありますが、元をたどればこれらの文型に行きつくことになります。

 

【動詞が自動詞であるもの】

※行為の結果が主語に及ぶ動詞を、自動詞といいます。辞書ではvi等と表記されます。

 

第1文型 … 主語(S)+動詞(V)

  …単純に、「SはVする」という文です。

☆表の例では、My fatherが主語で、runsが動詞です。

 

第2文型 … 主語(S)+動詞(V)+補語(C)

…「S=Cという関係になるように、Vする」という文です。

【補語】とは、主語や目的語の意味をという意味です。

☆表の例では、My motherが主語で、isが動詞、a doctorが補語です。

 

第2文型でよく用いられる動詞は、主に次の通りです。

*be動詞「~である」 *look「~に見える」 *feel「~と感じる」

*taste「~の味がする」 *smell「~の臭いがする」 *sound「~に聞こえる」

*come「(結果的に)~になる」 *grow「(徐々に)~になる」 など

 

また、第2文型で補語となるのは、名詞、代名詞、形容詞のほかに、不定詞、分詞、動名詞など、「名称・存在・状態」になじむ語となります。

 

【動詞が他動詞であるもの】

※行為の結果が主語以外に及ぶ動詞を、他動詞といい、辞書ではvt等と表記されます。

また、他動詞には、「~を(~に)○○する」という、対象(目的語)を求める

意味が含まれています。

 

第3文型 … 主語(S)+動詞(V)+目的語(O)

  …「SはOに(Oを)Vする」という文です。

【目的語】とは、行為の結果を及ぼす対象(目的)となる、と言う意味です。

☆表の例では、My sisterが主語、runsが動詞、a companyが目的語です。

 

第3文型では、名詞・代名詞のほかに、to不定詞や動名詞、句(主語+動詞が含まれ

ないフレーズ)、節(主語+動詞が含まれるフレーズ)もとることができます。

 

第4文型 … 主語(S)+動詞(V)+目的語(O1)+目的語(O2)

…「SはO1にO2をVする」という文です。

行為の直接的な対象(~に)となる語がO1となります。

☆表の例では、My parentsが主語、namedが動詞、meが目的語(O1)、

TomがO2です。

「私」と「トム」では、名づけた対象の「私」がO1となります。これは、

関連性の深い語同士は、近くに置かれる!】というルールによるものです。

 

※第3文型と第4文型の書きかえ

(例1)I’ll give you a present. (第4文型)→ I’ll give a present to me.(第3文型)

意味は同じでも、【大事な情報は、文頭に近づく!】というルールから、強く主張したい内容が変わります。

つまり、第4文型では「君にあげる」が、第3文型では「プレゼントをあげる」が、それぞれ強い主張になるのです。

※第3文型での「~に対して」toと、「~のために」forの使い分けは、【前置詞】の課で、

くわしく扱います。

 

第5文型 … 主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+補語(C)

…「SはOがCとなるようにVする」という文です。

つまり、ここでは「O=C」の関係が成り立ちます。

☆表の例では、My brotherが主語、thinksが動詞、meが目的語、honestが補語です。

この例での補語は、形容詞のhonestですが、第5文型では、形容詞のほかに、名詞、不定詞、分詞、句、節をとることができます。

 

前置詞の取り扱い

(例2)私は北海道に住んでいる。 I live in Hokkaido.

(例3)私は彼の失礼な態度を我慢できない。 I can’t stand for his rude behavior.

いずれも、自動詞の直後に、前置詞をとる文となっていますね。

 

基本的には、文型分けを考えるときには、前置詞以降は「修飾語」という扱いになり、文型分けは、前置詞の前でストップとなります。

(例2)では、「北海道に」というのは、「住む」の修飾語になるため、S+Vの第1文型である、とみることができます。

 

ここで、少し【前置詞】について紹介しますと、前置詞は、

【名詞や形容詞などのかれて、「位置関係」「時間」などを表す語】です。

(例2)では、「北海道」という位置の前に、「中に」というinが置かれています。

(例3)では、「彼の失礼な態度」という語句の前に、「~のために」というforが置かれていますが、stand for「~を我慢する」という句動詞(熟語になる動詞。群動詞ともいいます)を作っていますので、(例2)では、「彼の失礼な態度」を目的語にしているので、S+V+Oの第3文型であるようにも思えるでしょう。

しかし、原則として、前置詞が置かれると、それ以降は修飾語扱いになるという説が主流のようです。実際は、入試問題などで文型分けについて細かく尋ねられることはほぼないので、気にしなくても問題ありませんが、定期試験でわざと尋ねてくる先生もいないとは限りませんので、もし気になるようでしたら学校の先生に聞いてみるとよいでしょう。

 

こんなとき、どうする?

【副詞】

(例4)He usually reads books on Sunday.「彼は日曜日、たいてい本を読む。」

主語と動詞の間に、副詞usuallyが含まれていますが、これは動詞readsの程度を

表しているだけなので、副詞は考慮に入れず、S+V+Oの第3文型としてみること

ができます。

 

【疑問文】

(例5)Are you listening to me now?「あなたは今、私の話を聞いているのですか。」

通常の文You are listening to me now.では、you=listeningという関係になり、

S+V+Cの第2文型となります。疑問文でbe動詞が文頭に来て、V+S+Cの

語順になっていますが、これも第2文型となります。

 

(例6)Do you play soccer on Sunday?「あなたは日曜日にサッカーをしますか。」

(例7)Would you like something to drink?「何かお飲み物はいかがですか。」

(例6)において、疑問文の文頭に表れるDoは、動詞playに「しますか」という

疑問の意味を添える助動詞となりますので、Doとplayで1つの動詞と見ます。

(例7)においても、疑問文の文頭に表れるWouldは、助動詞willの仮定法過去の

文として、動詞likeに「控えめな意思があるか」という意味を添えているので、would

とlikeで1つの動詞と見ます。

したがって、(例6)の文も(例7)の文も、S+V+Oの第3文型としてみる

ことができます。

 

【疑問詞】

(例8)When the next train arrives at this station?「次の列車はいつこの駅に着きますか?」

Whenから始まる疑問文の答えは、【at+具体的な時間】や、【in+期間】など、前置詞が答えの中心になります。そのため、この文のWhenは文型分けには含めません。

他の疑問詞から始まる疑問文も、前置詞を含めた表現が答えの中心になりうるので、文頭の疑問詞は、文型分けに含めません。

よって、この文は、S=the next train、V=arrives となり、at以降は修飾語となり、文型分けの対象から外れますので、S+Vの第1文型となります。

 

練習問題

1.次の文(1)~(7)は、第1文型から第5文型のどれに属するでしょうか。

(1)You are not a student.

(2)He gave me this book yesterday.

(3)She always made her son happy.

(4)Would you pass me the salt, please?

(5)He will be a scientist.

(6)The long war ended just now.

(7)How should I give the present to him?

 

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