30日で学ぶ高校英語|Day9【動詞のおはなし③句動詞】

英会話教材などを見ていると、たまに「基本的な単語だけで会話ができる」という宣伝を見聞きすることがあります。専門的知識を要求される領域を除いては、確かに基本的な単語だけでも英会話は十分することは可能でしょう。

その理由として、実はこの「句動詞」の働きによるところが大きいのです。comeやgetなどの基本的な動詞と、副詞・前置詞・名詞などを一緒に使うことで、元の動詞の意味から派生した1つの動詞としてとらえることができるようになるからです。口語的な表現として用いられることが多く、実用的な英語(Practical English)のマスターにもつながります!

そのためにも、1つ1つの言葉の持つイメージを正確にとらえるところが大切になりますので、事例を挙げながら解説いたします。

 

動詞と副詞

もとの動詞の意味と、副詞の意味を合成します。自動詞は自動詞のまま、他動詞は他動詞のままの役割となります。

(例1) The bus blew up after the traffic accident.

「そのバスは交通事故のあとに爆発した

upがつくと「完全に」という意味になります。

(例2) The accident brought us down.

「その事故は私たちを不幸せにした」

downがつくと「(運気のようなものを)下に持っていく」という意味になります。

 

動詞・副詞・前置詞

自動詞に副詞をつけることで、もとの動詞の意味を補うことになりますが、さらに前置詞をつけると、動作の対象への働きかけという意味が出てくるので、他動詞の働きをするようになります。

(例3) I can’t put up with this humidity. 「私はこの湿気にがまんできない」

put upで「棚上げ」するイメージとなり、棚上げする内容をwithで表します。

(例4) Our company did away with this rule of conference.

「私たちの企業では、その会議でのルールを廃止しました

自動詞do「する」+副詞away「向こうへ」+前置詞with「~に付帯して」の

3つの意味を合わせて、「その件を向こうへ追いやる」というイメージとなります。

 

動詞と前置詞

自動詞を他動詞のように使うために、上記では動詞と前置詞の間に、副詞をはさんだものをお伝えしましたが、副詞がなくても使えるものがあります。

(例5)Suddenly, he broke in our conversation.

「突然、彼が私たちの会話に割り込んできた」

breakは「破れる」で、inが「間に/中に」という意味です。間が破れるということで、「割り込む」や「邪魔をする」という意味になります。

(例6) I’ve been looking for the key of my house.

「私は家の鍵をずっと探している

(例7)My parents often looks after my son.

「両親はよく私の息子の世話をしてくれる

 

(例6)では、自動詞look「見る」に、【その対象に向けて】を表すforがついたものです。「その対象に向けて、見る動作をする」が「探す」という日本語になります。

(例7)では、自動詞look「見る」に、【そのあとを】というafterがついたものです。

「~の後ろを見る」が、後ろから見守るようなイメージとなり、「世話をする」という日本語になります。

 

他動詞・名詞・前置詞

他動詞も、目的語の位置に特定の名詞をもってくることで、自動詞的な役割になるものがあります。前置詞を含まないものと含むものがあり、それらは大学入試のための重要なイディオム(熟語)としても、参考書などに掲載されているものが多いです。

それでは、いくつか事例をご説明します。

 

まずは、他動詞と名詞の組み合わせです。

(例8)What he said yesterday doesn’t make sense at all.

「彼が昨日言ったことなんてまったく意味をなさない」

senseはよくイメージする「センス」ですが、もとはsensor「センサー」などと同じく、感覚・感触に対して使う言葉です。make senseの日本語を直訳して「感覚を作る」というと、ちょっと抽象的ですので、【感覚的になじむものを作り出す】→「意味を成す」ということになります。

 

次に、他動詞・名詞・前置詞の組み合わせです。

(例9)We can make use of this board for a signboard.

「私たちはこの板を看板に使うことができる」

ここでのuseは名詞「利用すること」を表します(発音も「ユーズ」ではなく「ユース」となります)ので、他動詞makeにより、「利用する状況を作る」という意味になります。そして、後ろに前置詞ofを置くことで「この利用」という内容を示します。

(例10)You can take advantage of this special price now!

「あなたは今、この特別価格をご利用いただけます!」

カタカナ英語の「アドバンテージ」を聞いたことはありませんか。このadvantageは「優位性」という名詞です。そして、その優位性をtake「取る」のです。そして、後ろに置く前置詞ofで「この優位性」という内容を表します。

 

このように、動詞に他の品詞の単語を組み合わせることで、元の動詞の意味を拡張し、表現の幅を広げることができるようになります。

 

練習問題

13.次の(1)~(5)の英文について、日本語の意味になるようにするとき、(  )内に当てはまる最も適切な語句をア~エから選びましょう。

 

(1)The traffic jam (            ) yesterday afternoon.

「昨日の午後、交通渋滞が発生した」

ア came across      イ came to  ウ came about  エ came on

 

(2)He (             ) yesterday because of lung cancer.

「彼は昨日、肺がんで逝去した」

ア passed through イ passed of  ウ passed out エ passed away

 

(3)My son (              ) his grandfather.

「私の息子は、彼の祖父に似ている」

ア takes after   イ takes care of ウ looks after エ looks care

 

(4)I want to (          ) the trip there because I have stomachache.

「私はお腹が痛いので、そこへの旅行を延期したい」

ア put up    イ put off   ウ put on   エ put for

 

(5)I’m disappointed. You are the last person that I can (           )!

「がっかりだ。あなたなんかもっとも頼れない人だよ!」

ア count up   イ count of  ウ count on  エ count in

 

14. 次の(1)~(3)の英文の、( )内の句動詞を1語でいいかえるとどのようになりますか。日本語を参考に、答えましょう。

 

(1)He always ( kept on ) paying respect to his ancestors.

「彼はいつも祖先に敬意を払い続けていた」

(2)I’ve just ( found out ) that this building was built in 1980s.

「私はその建物が1980年代に建てられたと、ちょうどわかったところだ」

(3)I failed to ( hand in ) my reports to Mr. Williams yesterday.

「私は昨日、ウィリアムズ氏へレポートを提出しそこねた」

 

練習問題11.の答え

(1) When I was a teenager, my parents didn’t let me have any digital devices.

私が持つことを許可しなかった、となるので、letを使います。

「私が10代のころ、両親は私にひとつも電子機器を持たせてくれなかった」

(2) The commander made us obey his order.

彼の命令に強制的にでも従うこととなった、となるので、makeを使います。

「司令官は私たちを彼の命令に従わせた」

(3) There’s something wrong with my car. I’ll have it repaired soon.

それ(=私の車)を直してもらう、という過去分詞を使うことができ、かつ、サービスなどとしてしてもらえる状況を持つ、というニュアンスから、haveを選びます。

「私の車にどこかおかしいところがある。すぐに直してもらおう」

(4) I insist that we should get him to quit smoking right now.

The doctor says that he’s suffering from lung cancer.

説得して、これからやめてもらうという意味で、to不定詞を含表現である【get人to 動詞の原形】を選びます。

「私は、私たちが彼に今すぐに煙草を吸うことをやめてもらうべきだと主張する。

お医者さんは、彼が肺がんにかかっていると言っている」

 

練習問題12.の答え

(1)I feel someone stalking me.

「私はだれかがあとをつけてきているように感じる

(2)My parents watched me grow up.

「私の両親は、私が成長するのを見てきてくれた

(3)I heard the radio making some noise then.

「私はそのときラジオが雑音を発しているのを聞いた

(4)He saw your name written on the invoice.

「彼は君の名前が仕切り書に書かれるのを見た

 

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