30日で学ぶ高校英語|Day7【動詞のおはなし①動詞・総論】

英語を最初に習い始めてすぐ、be動詞と一般動詞について扱ったことでしょう。しかしながら、なぜbe動詞と一般動詞に分かれているのかについては、詳しい説明を受けたでしょうか?

受けた方もそうでない方も、覚えている方もそうでない方も、このお話は大事ですので、何度読んでいただいてもよいかと思います。特に、自動詞と他動詞については、英語のみならず、他の言語でも通じる考え方となりますので、おさえておきましょう。

 

自動詞と他動詞

動作の主体自身で、その動作が完結してしまう動詞を「自動詞」といいます。

また、動作の完結に、動作の主体以外の存在が必要な動詞を「他動詞」といいます。

まずは、下の図をご覧ください。

真ん中に、カバンを持った男性の図がありますね。

 

【自動詞】

(例1)He is an office worker. 「彼は会社員です」

この文では、彼=会社員という関係「である」というbe動詞を使っています。

 

(例2)He stands here. 「彼はここに立っている」

この文は、一般動詞standを使っています。立っているのは彼自身で、動作の主体です。

 

【他動詞】

(例3)He has a bag. 「彼はバッグを持っている」

この文は、持つ対象のもの(バッグ)がないと、動作が完結しないことになります。このように、他動詞では、動詞の中に「~を」「~に」という意味が含まれており、目的語がないと文が成り立ちません。

 

動作動詞と状態動詞

それでは次に、動詞の中でも、実際の動作を表す動詞「動作動詞」と、ある状態を表す「状態動詞」に分けられるというお話をします。

 

動作動詞は、主語となるものが具体的に「~する」という意味になるものです。

(例) My father watches the morning news every day.

「私の父は毎日、朝のニュースを見る

I found this book interesting.

「私はこの本が面白いとわかった

I encountered him at the station yesterday.

「私は昨日、駅でたまたま彼に会った

 

これに対し、状態動詞は、主語となるものの状態が「~である」という意味になるものです。

(例) I am fifteen years old.「私は15歳です」

The new wholesale market stands in the large field.

「新しい卸売市場は、広大な平地に建っている

存在や関係などを表す動詞も、状態動詞に含められます。

She owns her new house on the hill.

「彼女は丘の上に新しい自分の家を持っている

 

ただの暗記ではなく、イメージをつけよう

中学までは、教科書に単語の意味が、品詞名とともに、アルファベット順で記載されているものがほとんどでしたが、高校からは辞書を引くことを推奨されることでしょう。名詞を引くと、その物がどんなものであるかのイメージはしやすいのですが、動詞の場合は、同じ語でも、自動詞と他動詞とで使い方が異なるものもあります。

実際、英単語を覚えるには、確かに音声で聞いて、単語帳に書いていって、つづりをおぼえることも大切です。しかし、それ以上に、動詞を辞書で引く場合は、「どんな場面や動作を、どんな範囲において行う言葉なのか」という点を理解する必要があります。

時間があるときに、できればこの記事にあるような図を、辞書で引いた言葉から、自分でもノートに起こしてみるとよいでしょう。そうすると、自動詞と他動詞の区別、動作動詞と状態動詞の区別がつきやすくなります。

 

動詞の活用と規則変化動詞

動詞には、「原形」「過去形」「過去分詞形」「現在分詞」の4つの活用があります(参考書や教科書によっては「現在分詞」を活用に含めないものもあります)。

規則変化をする動詞は、過去形や過去分詞形にする際に、原則として動詞の原形に-(e)dをつけること、不規則変化をする動詞はその活用形に従うこと、そしていずれの動詞も、現在分詞にするには動詞の原形に-ingをつけることとなっています。

 

不規則変化は地道に覚えるしかないのですが、数は限られていますので、ひたすら読み書きの訓練を積めばおのずとわかるようになってきます。しかし、実は規則変化を考える上で、よく”yをiに変えてedにする”や”tを重ねてedをつける”など、細かい分類があって、すんなり覚えられないという思いをしたことはないでしょうか。

 

多くの教科書や参考書には、細かい分類が記されていますが、それを一つ一つ覚えると大変だと思います。たしかに、こうした分類を覚えておくに越したことはないのですが、実はただ1点だけ理解していれば、分類をみたときに「なるほど!」となるものです。

 

その1点とは、「発音のしやすさ」です。

規則変化動詞を、過去形や過去分詞形にするためには、動詞の原形に-edをつけますが、もし語尾がeで終わっていれば、つけるのはdだけでよいということになります。

(例)love → loved,  like → liked など

 

語尾が【子音字+y】の場合は、yをiに変えてedを付けます。

(例) study → studied

※もしyをiに変えずにstudyedと表記すると、dyの音は口をすぼめるのに対し、edはいったん口の両端を横に引くことになり、口の動きにロスが生じてしまいます。いずれにせよ伸ばす音でedを発音するのであれば、yの口にする前に、口の両端を横に引かせた方がスムーズに発音できるので、eに親しみやすい母音のiに置き換えるのです。

 

語尾が【母音字+y】の場合は、そのままedを付けます。

(例)enjoy → enjoyed

直前の母音の時点で、yの音で口をすぼめる動作が終わるので、子音字+yのものより、次のedの音に移行しやすいので、yをiに変えずに、そのままedをつければよいということになります。

 

語尾が【アクセントのある短母音+1子音字】の場合も、最後の子音字を重ねてedを付けます。

(例)stop → stopped , emit → emitted ,  occur → occurred ,

transfer → transferred

※アクセントが語尾にないものは、そのままedをつけます。

(例)enter → entered , suffer → suffered

 

また、dやedの発音については、次の通りとなります。

・語尾が[d]以外の有声音で終わる場合は、[d]と発音します。

(例) enjoyed,  lived,  hanged など

・語尾が[t]以外の無声音で終わる場合は、[t]と発音します。

(例) kicked, washed, stopped, laughed など

・語尾が[t]または[d]で終わる場合は、[id]と発音します。

(例)omitted, needed など

 

このように、規則変化動詞は、発音のしやすさによって、語尾のedの付け方が変わります。これを理解するためにも、やはり読み書きによる練習は日頃からたくさんしておくとよいでしょう。

 

練習問題

9.次の(1)~(5)の英文に使われている動詞は、自動詞か他動詞か答えましょう。

(1) The soldiers walked 15 miles a day.

(2) In the old days, the officer of prison ordered the prisoners to create new roads.

(3) The residents pay respect to their duty.

(4) The story became popular among all people.

(5) It became a famous movie.

 

10.次の(1)~(5)に表す語句の過去形、過去分詞形を答えましょう。

(1) run  (2) wash  (3) emit  (4)carry (5)concur

 

練習問題8.の答え

(1)ウ We have never seen such a wonderful place like this before!

「私たちはこのように素晴らしい場所をかつて見たことがありません!」(経験)

(2) They have lived on this small hill for twelve years.

「彼らは12年、この小さな丘の上に住んでいる」(継続)

(3) It has been raining since last week. We call this season “tsuyu” in Japanese.

「先週からずっと雨が降っている。我々は日本語でこの季節を”梅雨”と呼ぶ」(継続)

(4) This building stands on the hill now.

「この建物は今、丘の上に建っている」 (状態動詞)

(5) I haven’t seen you for a long time. I’m very glad to see you again now.

「長い会っていませんでしたね。今またお会いできてうれしいです」(継続)

(6) ”How about another cup of coffee?” —“Thanks, but I have had enough now.”

「コーヒーをもう一杯いかがですか。—ありがとうございます。ですが、私はいま

もう十分いただきました。」(完了)

(7) Before I came home, it had stopped raining.

「私が家に帰る(過去の時点で帰った)前に、雨はやんでいました。」

(8) Until I arrived in Germany, it had been my dream to go abroad.

「私がドイツに着く(過去の時点で着いた)までは、海外に行くことがずっと私の

でした

(9) According to the newspaper today, a drunk man had been hitting the door of a liquor store until it broke up.

「今朝の新聞によると、酔っ払いの男が、酒屋のドアを壊れる(過去の時点に壊れた)まで叩き続けた

(10) By the time all the war ends, there will have been a large number of the dead.

「戦争が終わるときまでには、多数の死者が出る事だろう

 

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