英文と英文、語句と語句をそれぞれ結ぶ語句を「接続詞」といいます。おそらく、andやorなどは、おなじみであると思いますが、「疑問詞」とされるwhenにも、接続詞の意味があったり、接続詞のはたらきをする熟語があったりもします。
この課から、文やフレーズが長くなったり、修飾したりされたりというような領域を扱ってまいりたいと思います。まずは、接続詞からスタートしたいと思います。
等位接続詞
【文と文】、【句と句】、【節と節】など、文法上対等な関係にあるもの同士をつなぐはたらきをするのが、「等位接続詞」と呼ばれるものです。いくつか、等位接続詞の種類をご説明いたします。
<but>(逆接)「しかし」
(例1)He said he was a doctor, but that was a lie.
「彼は自分が医者であると言ったが、それは嘘だった」
この文では、逆接のbutの前後で、「彼は言った」という文と、「それは嘘だった」という文が置かれています。英文同士がつながれていますね。
<and>(順接)「そして」「また」
(例2)I like playing both in the forest and on the beach.
「私は森の中と浜辺の両方で遊ぶことが好きだ」
この文では、both「両方」という言葉のあとに、in the forest「森の中」という語句と、on the beach「浜辺」という語句を、andでつないでいます。
<or>(選択)「または」「さもないと」/(並列)「すなわち」
(例3)Go to bed soon, or you’ll miss the first train tomorrow morning.
「すぐにでも寝なさい。さもないと、明日の始発電車に間に合わないよ」
この文では、「すぐにでも寝る」か「まだ起きていて、明日の始発を逃すかもしれない」か、どちらかの状況を選ぶことになるというニュアンスで、【命令文~, or …】の形を使っています。
「または」の意味を当てはめて、文脈的に不思議に思う場合は、「すなわち」の使い方を考えてみましょう。
(例4)He likes udon, or the noodle made from white wheat flour.
「彼はうどん、すなわち小麦粉からつくられる麺が好きなのだ」
「または」の感覚で「言い換えると」という使い方をしています。
等位接続詞の慣用表現
<both A and B>(並列)「AもBも」
bothには「両方」という意味があり、andを組み合わせることで、対象が2つあることを示します。例文は上記(例2)をご参照下さい。
<neither A nor B>(並列・否定)「AもBも~ない」
both A or B では、AもBも両方肯定されているのですが、AもBも両方否定する場合に、このneither A nor Bが用いられます。neitherもnorも、either, orの前にnをくっつけていますが、このnはnotであり、【not + either = neither】,【not + or = nor】ということです。
(例5) Neither you nor I can persuade him to stop smoking.
「あなたも私も、彼に煙草をやめるよう説得することはできない」
<not only A but (also) B>AばかりではなくBも
both A and Bよりもさらに、並列の意味を強めている表現です。alsoには「~もまた」という意味がありますが、省略することもできます。
(例6)Not only smoking but also drinking too much alcohol may harmful to you.
「喫煙だけではなく、アルコールの飲みすぎも、あなたにとって有害になります」
従位接続詞
主節と従属節との間に入り、従属節は主節の前提条件や、主節の動詞を説明する内容になる関係にする接続詞のことを、「従位接続詞」といいます。
<that>「~ということ」
(例7) I think that electric car will be dominant in the world soon.
「私はすぐに電気自動車が世界中を席巻するだろうと思う」
この例では、I think を主節として、考える内容を接続詞that以下の文としています。従属節が「~ということ」という「名詞節」(国語でいうと体言)であることから、このthatは、名詞節を導く接続詞であると言えます。
<whether>/<if>「~かどうか」
(例8)I asked him if he could come here.
「私は彼にここに来ることができるかどうかを聞いた」
(例9)Whether my father allows me to go there is unknown.
「父が私をそこに行かせてくれるかどうかはわからない」
whetherもifも、不確定なことを表すことができます。しかし、例8の場合は、ifもwhetherも使うことができますが、例9のような場合は、ifを使ってしまうと本来の「仮定」の意味が強くなるため、whetherしか使えません。この意味でのifは、あまり使わないと思っていた方が無難ですが、例8のような表現はそれなりに使われますので、見たときに驚かないようにしておきましょう。
<lest>「~しはしないかと」
(例10) I grabbed my son’s arm lest he run away.
「私は息子が逃げ出さないよう、腕をつかんだ」
lest以下に主語+動詞の原形をとることで、「~してはいけないから」「~はしないかと」という懸念を示すことができます。
厳密には、lest S’ should V’ という表現から、shouldを省略したものがよく用いられていて、このshouldは仮定法過去の表現となります。そして、shouldは法助動詞であるため、直後には動詞の原形不定詞のみとることとなります。このことから、lestから始まる内容の節がどの時制にあたるかによらず、動詞は(should + )動詞の原形(不定詞)となります。
練習問題
31. 次の(1)~(5)の英文が、日本語と同じ意味になるとき、( )内にあてはまる語句を補充しましょう。
(1)( ) his house ( ) my house were built in the same year.
「彼の家も私の家も、同じ年に建てられた」
(2)I kept the stove running ( ) I catch a cold.
「風邪をひいてはいけないので、私はストーブを運転したままにしておいた」
(3)( ) only my father ( ) his boss were ordered to go on a business trip for a while.
「私の父だけではなく、彼の上司もしばらくの間の出張を命じられた」
(4)( ) the contract was closed successfully is a secret.
「契約がうまく締結されたかどうかは秘密です」
(5)Stop smoking right now, ( ) you will be suffered from lung cancer.
「すぐに煙草をやめなさい。さもないと、肺がんで苦しむことになるよ」
練習問題29.の答え
(1)If I ( were ) young, I could stay up late.
「もし私が若かったら、夜更かしできるのに」
(2)If I ( had ) ( studied ) English harder, I ( would ) be an interpreter now.
「もし私が英語をもっと熱心に勉強していたら、今頃通訳になっていただろうに」
(3)If ( only ) he ( were ) a kind man!
「彼が親切な男性だったらよかったのに!」
(4)It’s ( high ) ( time ) the train ( came ).
「そろそろ列車が来ても良いころだ」
練習問題30.の答え
(1)① If I’d believed what he said, I could succeed in running my company now.
②( Had ) I ( believed ) what he said, I could succeed in running my company now.
「彼の言ったことを信じていれば、今頃会社の経営に成功していただろうに」
…②はifを省略し、倒置させたものです。
(2)① Without reading this book, I couldn’t understand what our teacher said.
② If it ( were ) not ( for ) this book, I couldn’t understand what our teacher said.
「この本がなければ、私は先生が言ったことを理解できなかっただろう」
…Without ~ と If it were not for ~ の書換です。
(3)① If only I had enough time!
② I ( wish ) I ( had ) enough time.
「私に十分な時間があればいいのになあ」」
…If only ~! と I wish S’ + V’~ の書換です。