30日で学ぶ高校英語|Day5【完了形のおはなし①完了形・総論】

中学校までは、【have(has)+過去分詞】の形をとる「現在完了形」で、3つの用法【完了・継続・経験】を習いましたね。しかし、Day 2でも見たように、完了形も「過去完了形」「現在完了進行形」「未来完了形」「過去完了進行形」など、さまざまな場面で使うことがあります。

まずは、Day 3でお話しした「分詞」のお話をふりかえりながら、完了形とはどういうものかを、確認してまいりましょう。

 

「動作の終わりごろの状態を持っている」

まずは、現在完了形の基本的な形から確認しましょう。【have(has)+過去分詞】でしたね。

そして、Day 3【分詞のおはなし①】でふれたように、「過去分詞」は、「動作の終わりごろの状態」を意味する、動詞と形容詞の機能を分け持つ言葉でしたよね。

例文を確認してみましょう。

 

(例1)I have already done my homework.「私はもう宿題をしました

宿題をする動作が完了に近づくと、「宿題=された」という関係が生まれますので、過去分詞doneは「動作の終わりごろの状態」となります。そこに副詞alreadyが加わると、「もう」「すでに」という意味になります。

この文を単語レベルで細かく訳すと、「私はもう、私の宿題がされた状態を持っている」となります。

 

(注)このhaveは、厳密にいうと「助動詞」となります。ふつう、助動詞といえば、直後の動詞は原形でなければならないと、中学校では習ってきたことでしょう。しかし、それは「助動詞」を中学校レベルで説明するには、その方が簡単に理解できるので、動詞の原形に絞っていたのです。実際には、助動詞の中には、このhaveのように、分詞の意味を補う助動詞というものもあります。

 

完了形の用法とキーワード

完了形には、【完了・継続・経験】の3つの用法がありました。これは、現在完了・過去完了・未来完了のいずれにもあてはまりますが、過去分詞の持つ「完了相」によるものです。

「完了相」では、「動作の終わりごろ」というイメージとなります。完了用法では、「もうした」という意味になるので問題ないと思います。キーワードは「ある時点を基準にする」という語になり、特に現在完了では、just, already, yet, nowなどがセットになる事が多いです。

しかし、完了形でどうして、継続用法と経験用法が導き出されるのかということが、イメージしにくいと思います。

 

継続用法では、期間を表す語といっしょに用いられ、「動作の終わりごろの状態を、その期間、断続的に持っている」ということを表しています。

 

(例2)We have known each other for over ten years.

「私たちは知り合って10年以上(の期間)になる」

この例文では、期間を表すforが、継続用法のキーワードとなり、「知り終えるころの状態」を、10年以上の間「持っている」ということを表しています。

特に、ふつう現在進行形にしない動詞(くわしくは前回の課を参照)の状態が続いている場合は、この「継続用法」がなじむことになります。

キーワードは、「期間」を表す語句で、特に現在完了では、for, sinceなどがセットになる事が多いです。

 

経験用法では、「もう終わった動作」を「持っている」という感覚で使われます。

(例3)I have been to Estonia once. 「私は一度エストニアに行ったことがある

なお、この例文でhave gone toを使うと、【行(い)った動作の終わりを持っている→】「行ってしまった」という、完了用法になってしまいます。have been toにすると、【居た状態を持っている→かつてそこに存在した→】「行ったことがある」となります。goを使わずに表す理由は、このイメージによるものです。

キーワードは、「ある時点よりも以前の時点」を表す語となり、特に現在完了では、never, ever, ~times, beforeがセットになる事が多いです。

 

現在完了形を使わない場合

現在完了は、過去の出来事や状態を、現在時制の助動詞haveを用いて、現在に結びつける表現です。このため、文中に過去を表す語句とともに、完了形を使うことはできません。

(例4) I visited there yesterday. →×I’ve visited there yesterday.

この例文では、はっきりと「昨日」という語句が出ているので、昨日の話となり、現在のお話にはならないということです。

 

また、whenから始まる疑問文で、過去のことをたずねたい場合も、完了形をセットにすることはできません。なぜなら、whenは過去のある時点を特定する文をつくるため、この文で現在のことに結びつく表現はできないからです。

(例5)When did you visit there? →×When have you visited there?

この×のついた文では、「過去に訪問した時点」をたずねたいのに、現在完了を使うことで、過去の話なのか現在の話なのか、わからなくなってしまっています。

 

練習問題

6.次の(1)~(5)の文は、【完了・継続・経験】のうち、それぞれどの用法を使ったものであるか答えましょう。

(1)Have you ever heard such a silly story like this?

(2)I have just finished cleaning my room.

(3)The number of bankruptcy has been rising for four years.

(4)My grandfather has lived there since his childhood.

(5)He has already gone to the long trip.

 

7.次の(1)~(3)の英文には、文法上不適切な箇所があります。不適切な箇所を適切な形に直しましょう。

(1)I have got a new car yesterday.

(2)The economic recession has ended two years ago.

(3)When have you left for Guam?

 

練習問題4.の答え

(1)belong to は「所属している」状態動詞のため、進行形にしない。

(進行形にすると、参加して辞めるのを繰り返すイメージです)

(4)has a boyfriend は「彼氏がいる」状態動詞のため、進行形にしない。

(進行形にすると「恋多き人」になって危険かもしれません)

(5)stands on a seashoreは「海辺に建っている」状態動詞のため、進行形にしない。

(進行形にすると、建てては壊しを繰り返すイメージです)

正解→(1),(4),(5)

 

練習問題5.の答え

(1)「今まさに」のnowがあるので、「見ている」を選びます。

I am watching TV now. 「私は、テレビを見ています

(2)「私が家に帰ったとき」when I came homeがあるので、「待っていた」を選びます。

My friend was waiting for me when I came home.

私が帰宅したとき、友達は私を待っていました

(3)「明日の朝」tomorrow morningがあるので、「運転しているだろう」を選びます。

He will be driving his car tomorrow morning.

「彼は明日の朝、自分の車を運転しているでしょう

(4)(私に所属している→)「私が持っている」となるので、進行形は使わず、の原形を選びます。

The books belong to me now. 「その本は今、(私に属している→)私のものです」

 

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