ここからは、少し毛色の違うお話で、TOEICのポジティブな部分、この試験が重要視されているポイントをご紹介します。
学生の皆さんはこれから履歴書や、エントリーシート等多くの書類を記載し、企業へ提出しなければなりません。それは自分の持ち合わせている力、性格等をアピールし、企業に魅力的な人材であると思ってもらうための手段であります。その中の記載項目で昨今、語学の能力の記載を求めてくる企業が増えてきました。
英語、中国語、そしてスペイン語、フランス語あたりが語学としては人気です。またアラビア語も中東諸国への営業力強化を目論む企業にとっては重要視される語学の一つと言えます。中でも圧倒的な一番人気を誇る英語についてはどんな記載を求めているのでしょうか。企業によってこれもまちまちですが、ヒアリング能力、英会話能力、そしてテストのスコアや検定のグレード等様々です。
最近は、スキルの中でも特に英会話を重視する企業が増えてきています。理由はやはり自社の営業基盤を海外に求めざるを得ない状況が今後も続くことから、専門家に翻訳や通訳を委託するよりも自前で海外のクライアントと交渉できる人材が必要であると考える企業が増えているからでしょう。では英会話力とは記載する場合どんな記載となるのでしょうか。
たとえば、「あいさつ程度」、「ビジネス英語中級」「ネイティブ並み」なんて表現があるかもしれません。でもよく考えてみてください。こんな記載があっても皆さんイメージ沸きますか。そして説得力はある記載方法であると言えるでしょうか。そうです。これは相対的にどのレベルにあるかが実に分かりにくい表現となってしまっているのです。
このため、より具体的な数値で測りたいと考える企業が多くなってきています。ここで登場する指標の一つがTOEICのスコアとなるのです。これはリスニング、リーディングの試験ではありますが、これが出来ればスピーキング、ライティングもある程度力を推測出来ると考える企業が殆どです。では何点が基準となるのでしょうか。目安とはなりますが、新卒でグローバル企業の一流と言われるメーカーや総合商社、金融の総合職(ソルジャー以外)を受験するのであれば、800点が目安と言われております。
ただし、高学歴である場合(例えば東大、京大等)であれば600点台であっても、その他の800点台と同等に扱われます。これは第一話でお話しした理由にもつながります。なんだか不公平と思われるかもしれませんがこれが現実です。次の回では業界別、職種別のお話をしてみましょう。